musk(ムスク)は本来天然の動物性香料です
現在はワシントン条約により、合成香料の開発が進んでいます
musk(ムスク)とはオスのジャコウジカの腹部にある香嚢(ジャコウ腺とも呼ばれる)から得られる分泌物を乾燥した動物性香料です。漢方薬として使われる事もあり、麝香(じゃこう)とも呼ばれます。
甘く粉っぽい香りを持ち、香水の香りを持続させる効果があるため、香水の素材として重要な役割を果たしました。また、興奮作用や強心作用、男性ホルモン様作用といった作用を持つと言われ、六神丸、奇応丸、救心などにも使用されています。
近年までmuskを採取するために、オスのジャコウジカを乱獲していました。そのためにジャコウジカが絶滅の危機に瀕し、ワシントン条約でジャコウジカの商業目的の国際取引は原則禁止とされました。現在では中国でジャコウジカの人工飼育と飼育したジャコウジカを殺すことなくmuskを採取できる技術の開発が進んでいますが、商業的な需要を満たすにはまだまだ不十分です。そのため、香料用途としては合成香料である合成musk(合成ムスク)が使用され、musk(麝香)の使用は現在ではありません。
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香水にも色々な系統がありますが、ムスク(musk)系の香りを好まれる方も多いでしょう。ムスクは香りに持続性と奥深さを与えると言われています。もちろん現在は天然のムスクは使用されておらず、合成ムスクが使用されます。
では、合成ムスクはどのようにして出来たのでしょうか。天然のムスクに含まれる香りの成分に「ムスコン」という成分があります。これがmuskの香りの主です。ムスコンの構造はわかっていますが、合成するのにコストがかかりすぎます。ムスコンだけ作り出せば、ほぼ天然のmuskと変わらないものになるのですが、高価になりすぎるために様々な試行錯誤を重ね、多くの合成香料を作りました。その結果、合成ムスク系香料は私たちの身近に存在するようになりました。例えば石鹸、洗剤、クリーム、香水などの化粧品やトイレタリー用品にも合成ムスクは使われています。石鹸で手を洗った後の香りや洗濯物の香りが、合成ムスクの一種なのです。
ところが近年、この合成ムスクの使用が制限されたり、規制されたりするものが出てきました。まだまだ合成ムスクの研究には時間がかかるようです。ジャコウジカから採取される天然のmuskはプラチナよりも高い値段が付きます。そして安価な合成ムスクを完成させる事がまだまだ追い求められています。合成ムスクの研究は1930年代から始まっていますから、なかなか難しい、ムスクの香りのように奥の深い問題なのでしょうね。
さて、musk以外にも、じゃこうのような香りを持つもの、生き物にじゃこう又はムスクの名前をつけることがあります。有名なものとしてジャコウネコやジャコウネズミ、ムスクローズやムスクシード、ジャコウアゲハなどがあげられます。
またマスクメロンや立麝香草(たちじゃこうそう=タイム)など、良い強い香りを放つものに、muskや麝香の名前をつけることがあります。
それだけmusk(ムスク)というものは印象深く、心に残る香りなのでしょうね。
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